旅はタイから始まった【Backpacker lifestyle】旅とガンジャ

始まりはタイ。

5分も外にいると汗でTシャツがビショビショになる。暑い。2023年3月2日、スワンナプーム空港。東京はまだまだ寒く、花粉がエグイ年だった。スワンナプームから電車に揺られ中心地、スクンビットへ向かった。

駅から歩いて5分10分の場所に宿を予約していた。ただようガンジャの香り。インド系のスタッフ。ゲストハウス前は喫煙スペース、ジョイントをくゆらしているのがボスっぽい。チェックイン、パスポートを見せる。「部屋でガンジャ吸っていい?」と聞くと「窓開けて吸えば大丈夫だよ~」とピースな雰囲気。荷物を置いて早速ディスペンサリーへ向かった。ディスペンサリーというのは、ガンジャ屋さんの事でタイでは去年、レクリエーション目的のマリファナが合法化された。大麻、ポッド、ドープ、バッズ、くさ、カンナビス、言い方は沢山あるが「ガンジャ」がなんとなく言いやすい俺。

「先ずはテキトーに1gゲットしないとな~」宿の近く、50mほどの距離。ディスペンサリーを発見。エクスチェンジで1万円をバーツに変えた。日本円弱いよな~。給料バーツで欲しいくらい。

スカイウォーカーOG をひとつ。去年大麻解禁に沸いたバンコク。「一刻も早く遊びに行かねば!!」と8月にバンコクに来た時、最後に吸ったのがベイビーヨーダだった。「MAY THE FORCE BE WITH YOU」とまた、戻ってこれた事に感謝をし丁寧にジョイントを巻く。部屋の窓を開け、夕方になったバンコクの街を目の前に火をつけた。ぷはぁ~~っ。これこれ。こうでなくちゃね。

初めてタイに来たのは2009年、カオサンロードからバスと船を乗り継ぎパンガン島、バイクでレゲエバーに行き20gのタイスティックを買った。1週間の旅。ハンモックに揺られジョイントを吸う。暑くなれば目の前の海で泳ぐ。夜はビーチで焚火にあたりジョイントを吸う。飯屋はバンガローに併設された場所がひとつ。

ローカルの奴ら2人と日本人2人、言葉は通じなかったが4人でジョイントを回しビーチでだらだら月を見ていた。波の音が頭の中でループしていた。フルムーンパーティーには船で行き、バケツの酒に、マジックマッシュルームシェイク、ジョイントをヨーロピアンの女の子に「吸わせて」と言われ、大縄跳びにはファイヤーが、とにかくフルパワーで朝まで踊った。

「そんな事もあったなぁ~」と目が覚めると朝、懐かしい夢を見ていた。

去年、散歩がてら行ったカオサンロードは綺麗になっていたし、あの頃の程の感動は無く、ただただ思い出に浸っていた。脇道で吸って連行されたポリスステーションの場所はここだったんだ!!とか。そんな事を思い返し路地裏でジョイントを吸い、半分はガネーシャにお供え物とした。神様はガンジャ好きだろ?

ジョイントを吸い、シャワーを浴び、ゲストハウスを出た。宿の近く、食堂で飯を食い散歩をした。相変わらず忙しいバンコク。人種のるつぼ。2日間の滞在、今回の旅の目的地はここでは無い。カオラックとプーケットの間くらい、オーストラリア人の友達、トムがエアビーで家を借り、ガンジャを育てている。去年からフェイスブックでメッセージを頻繁にしていて、遊びに行くことにしたのだ。

ボングにガンジャを詰めると、麻紐に火をつけた。ボコボコボコボコ...と中の水が躍る。火種が落ち煙を全て吸い込むと龍の如く煙を吐き出した。「Nice~♪」とトムが一言。無邪気な笑顔で。タイでの田舎暮らしが始まった。

バンコクからバスでプーケット、ローカルバスでカオラックの方面へ戻り、着いたのは朝。家はぽつぽつと、特に何がある訳では無く、家の周りはジャングルだった。コンビニなんて近くにない。車かバイクが無ければどこにも行けない様な場所だ。俺はバンコクのディスペンサリー、KUSH HOUSEでガールスカウトクッキー(Girl Scout Cookies)と他、違うディスペンサリーで1gのドメスティックカンナビスを買い足していた。バンコクのお土産的なやつ。

「日本から玄米茶持ってきたから、グリーンティーボングにしよーぜー」キンキンのコチンコチンに冷やして吸うと爽やかで吸い込み良い。暗くなれば寝て、明るくなる前に起きる。超自然なヒッピーライフ。「俺、こういうの憧れてたんだ」

トムはボングを1回吸うたびに綺麗に掃除をする。彼のこだわり、かれこれ2年くらい旅をしていて、ここには4か月くらいいるのかな?なんだかんだ2週間一緒に旅をすることになる。凄い良い奴でフロンティア精神の持ち主だ。

ジャングルからサンライズ

早朝、まだ暗い。いつも同じ時間、太陽の登る頃に虫が一斉に鳴きだす。朝が来る。ジョイントをゆっくり、丁寧に巻き火をつける。至福の一服。庭で元気に育っているガンジャを触ると朝露でしっとりと濡れていた。アリが椅子の下で行列を作っていた。見渡す限りジャングル、ここはビルなんて無く、自然、自然、自然。生きている充実感を感じた。

ベイビーガンジャには1日に3回くらい水をやる。冷やしてやらないと暑さがとんでもないので枯れちまうらしい。確かにここの太陽はえげつない。昼は水シャワー、ここは地下水が沸いていて水道水も飲める。ガンジャ吸ってのんびりと昼寝したり、家の周り散歩したり。時間がゆっくりと流れている。洗濯物もソッコーで乾く。

毎週水曜日、家主が早朝マーケットへ行くので一緒に連れて行って貰った。超が付くローカルなマーケットで外国人は俺ら2人だろう。チキンやら野菜やらフルーツ、食材を買い込んだ。午後はテープを色分けして12種類のベイビーガンジャを何処に植えていくか話した。トムはローカルのワーカーを日雇いで雇い、畑の開拓をお願いしていた。タイはサバーイサバーイだから中々仕事が進まないみたいだった。

弱い個体は間引きしていく。こんな平和な毎日が数日、いつもの日常として続いた時、トムから話があった。

「ここを離れようと思っているんだ。いままでやってきたけど自信がない」「思うように進まないしプーケットに行こうと思っている」と。ジョイントを吸いながら聞く俺。一人ではここを維持できないからな。トムは田舎暮らしにも飽きたようだった。毎日4ヶ月、同じルーティンで生活をしているのだ。無理もない。「よし。プーケット行って旅感出すか‼」と俺。「君をガッカリさせたくなくて...」申し訳なさそうな顔をしていたが、俺には数日でも幸せで特別な毎日だった。俺らはマイノリティーで似た者同士だ。

次の日にプーケットへ向かった。

旅は始まったばかり、ここから1週間、トムとは一緒に旅をした。地元の奴と一緒に旅をしている感覚だった。プーケットでの暮らしはいい感じでガンジャも安いし、とても気に入った。レオナルドディカプリオの「ザ・ビーチ」に出てくるホテルがある事を知った。

長くなったので、プーケット編はまた次回の記事で書くことにしよう。

「旅はまだまだ続く~」

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