「バンセーンビーチでゆっくりしよう|バンコク近郊1泊2日旅行」

【バンセーンはローカルビーチタウン】

エカマイバスターミナル

「久しぶりの青空じゃないか?」とバスに揺られながら思った。タイは乾季、冬の季節だ。といってもバンコクは涼しい夏くらいの気温で過ごしやすいが、雨が降らない分、空気が埃っぽい。エカマイバスターミナルに着いたのは丁度昼時。チケット売り場はやたらと混み合っていた。バンセーンビーチ行きのチケットを110バーツで買い、プラットフォーム24で待機の姿勢。ロットゥーで1時間半くらいの旅にだるだろう。バスターミナルには売店やちょっとした飯屋があるけれど、バンセーンに着くまで我慢我慢。とりあえず、と昨日買ったセブンイレブンのゆで卵をパクパクと。ん〜腹減った。アイスコーヒー飲みたいけどトイレ近くなるからな。

バンセーンビーチに到着したら真っ先に飯、そしてアイスコーヒー。などと考えているとバスが来た。乗り込むとこの便ではなかった。ムムム。意外と待たされそうだ。続いて9番と13番のバス。俺のバスナンバーは11番。ん〜まだか。小腹空いたな〜。

こんな時、タバコを吸って待つ旅人っていいよね。プラットフォームの向かいにある喫煙スペースでタバコを吸うバス待ちのおじちゃん。哀愁があって良い。タバコ吸うメリットは10割が哀愁なのだ。俺はこんな時の為に文庫本を持ってきていた。オードリー若林氏の「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」タイでは本が貴重である。日本の文庫って割高でしょう?だからなるべくゆっくりと読む。そいえば、最近オードリーのラジオ聞いてないな〜。

11番の車両はミニバスだった。こりゃいいや。バスターミナルを出たのは1時15分。車窓からは街が流れる。

こくりこくりと睡魔に襲われ、気づけばバンセーンも手前だった。俺はレームトンバンセーンというショッピングモールでミニバスを降りた。道路の街路樹が椰子の木だとビーチタウンって感じがするよな。宿まで、てくてくと歩いて10分。タイ語が少し分かるようになってから初めての一人旅。3ヶ月タイ語勉強してるからね。基礎の基礎でも知らないよりは10倍旅が楽になっている。今年の6月、タイ南部を旅した頃は基本英語でのコミュニケーションだった。くくく。今じゃチェックインもタイ語でサクッと済ませて自分の成長に驚いている。「お?この日本人、少しタイ語が話せるのか」と受付のおばちゃんも思ったはずだ。えっへん。

バンセーンビーチ

ベランダで、一本だけ巻いて持ってきていたジョイントに火をつけた。腹も減ったし、先ずはビーチまで散歩しよう。と俺は直ぐに部屋を出た。バンセーンビーチは家族旅行の多いこと多いこと。人も車もパンパンだ。大人気、天晴れバンセーンビーチである。外国人観光客はとても少ない模様。柄の悪そうなお兄ちゃんもチラホラ。ん〜なんか湘南?江ノ島?そんなような雰囲気もあった。子供が2人、走り回って遊んでいる。ずーっと続くビーチサイドにはビーチチェアーと屋台が同じくずーっと続いている。メニューは海鮮料理、BBQやらガイヤーン、どこも同じような感じだった。

これ以上はどこまでも歩いていっちゃうことになる。適当な食堂に入り、ラーブタレー(海鮮)で米をかきこんだ。本当に腹が減っていた。値段は245バーツ。イカはしっかりと大きく、値段もそれなり。ビーチ沿いはどこも同じような感じだろう。

しばらくビーチ沿いを散歩した。夕方はやっぱりナイトマーケットよね~。グラブタクシーを呼んで向かうとナイトマーケットが閉まっていた。「ムムムムム!」ズバリ言って、ナイトマーケット目当てでの1泊。ちぇ、ナイトマーケットがやってないなら日帰りでよかったんじゃないか?悲しい。仕方ねぇやと切り替えて、少し通り過ぎると「バンセーン都心」という日本の街が再現されたエリアがあった。フリーマーケットがやっていたりと若者向けのテーマパークのようだった。規模は小さいが、「徐行」と書かれた道路には日本を感じる。良い写真スポット。本物の日本人が来ましたよ!という顔して街を一周。3分。東京の繁華街のようだった。若者の街ってやつ?巣鴨だったら俺も「若いね~」なんて言われるかもしれないが、おじさんなので、「あばよ!」と次はレームトンショッピングプラザバンセーンまで行ってみることにした。小さなショッピングモールで外には屋台。焼き鳥美味そう。

バンセーンの夜

夜10時、小腹の空いた俺。ポケットに財布と携帯、ホテルのカギをつっこみ外へ出た。歩いて直ぐのポリッジ料理屋、カオトムプラーを注文してから席についた。夜風が気持ち良い。暑くもなく、寒くもなく、そして夜食に1番良いのがカオトムプラーなのだ。さらさら~っと入ってくるからね。味噌の様なソースで塩っけと辛さを足すのも良い。優しいスープのまま食べるのも良い。刻んだ生姜が効いている。健康にも良さそうな気さえしてくる。80バーツだった。スラターニーのカオトムが恋しいぜ。あれは本当に美味かった。魚も大きくプリップリでさ。

せっかくだからとビーチの方まで散歩をしてみた。いくつかのBarやクラブが元気に音を鳴らしている。若い子達が多かった。ナンパしたりするんだろうな。疲れたらディスペンサリーでゆっくりしたりするんだろうな。ビーチに腰を下ろしてバカ話してさ、屋台で飯食って帰るんだろうな。いいよな~。ローカルビーチタウンのバンセーン。賑やかな夜もあるバーンセーン。お昼はファミリー向けのバンセーン。なんかやっぱり神奈川っぽいような。そんな雰囲気だった。

歩いていると、ジョイントの看板。ん~ちょっとだけ、せっかくだからと、ジョイントの一本でも試してみるか。

「サワディーカップ!え~っと、一本だけ欲しいんですよね」と言うと、ハーフグラム買えば巻いてくれるというのでレモンオレンジを選んだ。100バーツ。1泊だけだからね。寝る前と、起きてから少し、これで十分だ。お姉さんがトレーにコーンをセットして、砕いたガンジャを詰めていく。便利そうだな。若い子達が3人、入店して颯爽と奥へ。奥はスモーキングルーム。1人はカウンターでガンジャを選ぶ。ボングの貸し出しもあるようだ。俺はプラスチックケースに入れられたジョイントを受け取り店を出た。地元にサクッとのんびりできるディスペンサリーがあったら、しかも若い時に、「ずっちーなー」と自然に出た。

朝のビーチからノンモン市場 ตลาดหนองมน

朝が気持ち良いビーチ沿いのカフェ、テラス席で優雅にアイスコーヒーを飲む俺。テラス横は工事中でカンカンカンカン、ドゥルルルルルと時たま工事音が鳴り響く。カフェからはクリスマス仕様のBGM。よく分かんない事になっている。今日は朝早くに目が覚めた。コォー、コォーと大きな鳥の鳴き声、強い日差しが小さなベランダ、そして窓から差し込んでいた。久しぶりの一人旅。ベランダには鉄格子がされ、目の前の家の屋上には太陽に照らされたスピリットハウスがスンっと立っていた。

朝のコーヒーをゆっくりと飲んでからホテルに戻ってシャワーを浴び、2分で終わるパッキングを済ませてからチェックアウトした。バンコクに帰る前、ノンモン市場へ行ってみることに。グラブタクシーで約80バーツ。近くにはバンコクに帰るためのミニバン屋があった。市場のカフェでカオマンガイを食べた。おばあちゃんが「お客さんが来たよ~」と息子に言う(多分息子)。やたらと丁寧な接客をするマスター(多分息子)。たどたどしい俺のタイ語。しかし、少しでもタイ語が話せると一気に世界が広がるのだ。やっぱりである。今でさえ、今年初めの旅とは景色が違うのだ。もう少しタイ語のレベルが上がったら、未来の俺は感謝感謝で尊敬すらするだろうな。「過去の自分ありがとう~」ってね。正式に次の一人旅が楽しみである。

1泊2日のバンセーン旅行、実際日帰りでも十分だろう。ビーチ沿いはコンパクトにまとまっている。休日で人が多かったが、平日は静かそう。バンコクから気軽に来れるのも良かった。パタヤとはまた違った、ローカルのビーチタウンを感じたければ、バンセーンはあなたを待っている。

「旅はまだまだ続く~」

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