「バクテー、朝ごはん、ハートヤイ|タイ南部ぶらり旅」

タイ南部の主要都市、ハートヤイ。地図で見ると、マレーシアのすぐそばだ。なんとなく来てみたこの街で、俺は初めての朝飯と出会った。

市内中心部は、まるっと昭和な商店街、古風な建物がかっこいい。市場が多く、冒険感もあり、通りに面したレストランから奥、進むと天井の高いアーケード。明るい場所から暗い場所へ、怪しい雰囲気だった。攻殻機動隊に出てくるような、雑多なアジアを思わせる。派手な看板の中華料理屋が多いからだろうな。建物の中は商店が並び、食堂もあって広かった。市内中心部、1番人の多い市場は、キムヨン市場だろうか。広く迷路みたいに店が続いていた。土産はここ、乾き物が多かった。

市場を散歩するのは好きだけれど、これといって、今買いたいものもない。旅の中で持っていていいもの、アーモンドくらいだろうか。値段はバンコクの市場と変わらなかった。アーモンドはどこでも、大体一緒な気がする。

さて。市内観光、散歩と言っても、出かける時間は朝と夕方だ。昼はあちぃ。そうなると、こだわりたいのが朝ごはん。

なんでも、南の料理には、有名な“バクテー”という料理があるみたいだ。

名前は、聞いたことあるような、ないような。漢字では肉骨茶。シンガポールやマレーシアの料理らしい。そしてマレーシアの近いタイ南部でも、多くのバクテー屋があった。バクテーとは、豚のスペアリブなどを煮込んだ薬膳スープ。店によって味が違うらしい。薬膳スープ、それはスタミナ料理らしい。

テキトーに、今やっている店を探して行ってみようと。

「レンキーバクテー」

知っていたかい?バクテー屋って朝が早いんだぜ?ってことはだ、朝に、体に薬膳ぶち込んで、1日元気に過ごそうぜ?って事だろう?閉まるのも早いし、夜に食うものではないのだろう。これは期待できる。タイの朝飯屋ってのは、それだけで美味いが確定しているのだ。朝が早い食堂は、うまい店。それほどに信頼度が高い。

バクテーとライスの狙い撃ち。

ほぉ〜。すき焼きっぽさもあるかな?薬膳のいい香り、うんうん。うんうんうんうん。美味い。

これは美味い。明日も食おう。そう思えた。店で味が違うなら、好みの味を見つけたい。

ホロホロに煮込まれたスペアリブ、ホルモン、キノコも合う。醤油ベースの薬膳スープは優しい甘みを感じた。付け合わせのタレを足してみた。塩っ気と、青唐辛子のピリ辛、合うね。入れた方が美味いね。満足の一品だった。

結局、次の日の朝、正直、朝起きてバクテーって気分ではなかった。だがしかーし、俺はもうパッタルンのバクテー屋を押さえてあるのだ。朝6時オープン。ピンしてあんのよ。絶対にもう一度食べたいからね。強者の1日は、始めるべくして始まるのだ!ジークジオン!

「もう一つの朝ごはん」

ハートヤイ市内中心部、「コーヒー コーナー」は朝7時からやっている粋なカフェ。何が嬉しいって、ウェルカム中国茶がポットで出てくる事。あったかいお茶は朝の癒しよだな。チュンチュンチュンと、鳥も鳴いてらぁ。

メニューは看板の写真を説明してもらった。カオニャオ(もち米)に、カスタード?ん?甘い系か。まぁ朝は米派の俺、という理由で初めましてをご注文。「それひとつと〜、タイホットコーヒーと揚げパン!カップ」

運ばれてきた、見た目はちまき。包まれた葉を剥がすと、とても綺麗な紫、もち米スワイ〜。スワイちゃん。タイ語で「美しい」「綺麗」の意味のスワイ。使っちゃう使っちゃう。

初めて食ったけど、上品。高貴な味がした。王様の食卓か?見た目より味が優しいのだ。まぁまぁの激甘を想像していた。さらに、タイホットコーヒーと揚げパン。合う〜〜。食べ終わりたくないのでゆっくりと食べた。

開放感が違うよな。のんびりとした時間が流れ、優雅に1日が始まっていた。小説でも持ってくれば良かったな。ふぅ〜、満足。さて、帰って一服でもしよっと。

タイで朝飯といえば、ジョークやカオトムが有名だ。お粥は優しくて、朝を始めるには丁度いい。普段、辛いものを食いがちなので胃が休まる。南部では点心やバクテー、中国茶。選ぶのが楽しい朝ご飯だった。ん〜、今回の旅の軸は“朝飯”かもしれない。

タイグルメ、まだまだ奥が深い。

それでは

「旅はまだまだ続く〜」

工事中のお寺

ちょい!フォローしとけば?