サクヤン【Wat Bang Phra/ワットバンプラ】ワイクルーフェスティバルで有名な寺院に行ってみた

Wat Bang Phra

ついに、ついに念願のお寺に行く事が出来ました。何年も前にVICE Japanで見たサクヤンフェスティバルの衝撃。

何故かとても興味が沸いた。もともと何故かは分からないがタイが好きで好きで居心地がよく「前世はタイにいたのかな?」なんて思ったり、今回の旅で行ったアユタヤではかつてアユタヤ時代に日本人村があった事を知ったりと、勝手に運命を感じている。

実はカンボジアから帰って来る時に入国で「君はタイに既に3ヶ月いるね」と。なかなか入国スタンプを押して貰えず……。なんとか入国できたが次は数ヵ月空けないと入国できないみたいだ。ラオスでのビザラン、出てすぐ入ったのが良くなかったみたいです。日本人は30日ビザなし滞在できるので、毎回飛行機で違う国に出て1週間くらい旅してから戻るのがベターだと教えてもらった。微笑みの国タイ、まだまだ行きたい場所があるので来年の2月に戻ってこようと決めた。そんなこんなで後1ヵ月しか滞在できないとなると、優先順位が変わってくる。あまりダラダラとガンジャ吸ってる場合じゃない。

今回の旅で絶対にやりたかった事。先延ばしにしていたサクヤンを彫って貰うべくワットバンプラへ行く事にした。最初はチェンマイでサクヤン彫って貰おうとしていたのだが、せっかく今バンコクにいる。タイミング的に「今しかない‼」結果的にとてもラッキーの連続で導かれている気がした。

ワット・バンプラはナコーンパトム県にあるサクヤン(Sak Yant)で有名な寺院です。YouTubeでも多く取り上げられる為、サクヤンに興味がある方は御存じだと思います。バンコクからは車で1時間半程だ。以外に遠く、行き辛い場所で観光客が行くには少しハードルが高い。

まだ20代前半だったかな、タイのタトゥースタジオでサクヤンの図柄を彫ったことがある。なんとなくデザインが好きで、当時は無知で文化や伝統を理解していなかった。もちろん本物ではない。サクヤンは祈りとセットで行われる為サクヤンマスターにしか彫ることはできないのだ。ちなみにサクヤンとは【Sak Yant】Sakはタトゥー、刺青を意味している。Yantはヤントラの事で魔法の力を持つ図形や文字、言葉の事です。

約10年ぶりになる旅、2022年。去年バンコクの旅で初めて念願だった本物のサクヤンを体験した。

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場所は違うのでセットで覗いて見て下さい。アチャーンネングと呼ばれる先生、サクヤンマスターに彫って頂いた。バンコクの方は比較的ハードルが低いので旅行者、旅人も行きやすいと思います。

去年に続き今年もサクヤンを、しかも今回は「サクヤンの祖」と言われる伝説的な僧侶『ルアン・ポー・プン』がいたワットバンプラというお寺で彫って貰う。いや、授かる。生前の動画をYouTubeで見たがとんでもなく慈愛に満ちた表情をしている。彼のシンボルがタイガーで、ジャングルを散歩する時には彼の周りを虎が守っていたらしい。かっこいい。魔法使いとかシャーマンキングな側面を感じる。実際にそうなのだけれど、ワットバンプラは元々、小さな田舎のお寺で彼の地元、彼が就任してからはどんどん有名になり、今では唯一無二のマジカルでミステリアスなお寺、ワットバンプラ。ルアンポープン、サートゥン。興奮しております。

実際に来てみると分かるがここら辺で一番大きいのはこの寺で、周りは畑ばかりだった。ルアンポープンがどれだけ愛され絶大な人気を誇っていたかはここに来ると肌感で分かる。

真ん中の像がルアンポープン。2002に亡くなったが(右上)御遺体は腐ることなく祭壇に祀られている。一番左の僧侶は現在のワットバンプラ最高位。祝福を受けるべく毎日沢山の人が訪れる。

わたくしは眠い表情だが少し不思議な空間なので30%緊張も入っている。39バーツでお供え物を買う。ピンクの封筒にお布施を入れる。

順番が来たら僧侶の前で正座をし手を合わせる。ロウソクで頭に円を書き、封をするような感じで金箔を頭と舌に貼ってもらった。

ここのセクションはこれでお終い。その後お守りを手に入れた。ビビビッときたやつ。ご利益高そう。

ここでは携帯にサクヤンを書いてもらう事も可能です。もちろんマントラを唱えてくれますし、運がいいと個人的にもしてくれます。全員が全員ではなくホントに運しだいなので個人的にマントラを唱えて貰ったら相当ラッキー。日々の行いが良いのかな。

携帯にサクヤン
手に入れたブッダとルアンポープンのお守り

ルアンポープンはかわいい顔した寅の上に乗っている。後ろはサクヤンの模様でびっしり。緑色のブッダは簡単に言うと「食うのに困らない」的な意味があります。手を前にして抱えるようなポーズが、お腹いっぱいに見えなくもないが、実際には壺を持っています。お坊さんにご飯をお供えする光景を見た事はありませんか?タイでは朝方に見る事があるかもしれません。善行、親切な行いの一つに与える文化があります。お寺でお賽銭投げたり、貧しい人への施しもタンブンと言って徳を積んでいるのです。

微笑みの国タイはホスピタリティがとても高いのです。

サクヤン彫って貰った部屋
お布施を壺に入れてる瞬間

タイの方は自分の好きな僧侶やアチャーンと呼ばれるサクヤンマスターに彫って貰うみたいです。最初お祈り待ちをしていた時に話した青年がワットバンプラ5回目で、色々教えてくれた。凄いスムーズに事が運んだ。凄いラッキー。オススメされたルアンピーアナン(Luang Pi Nunn)に彫って貰うことにした。「ちなみに今日はサクヤンするのに丁度良い日だよ」と。彫るには強すぎる日とかがあるみたいだ。ますますツイている。

番号札を貰い待つ…。

初めてルアンピナンを見たときは「お!かっこいい僧侶が出てきたな」と思った。

ベンチでだらだら順番待ちをしていた俺、休憩で彫場から外に出てきたパッと目を惹く背の高い僧侶、手はインクで真っ黒、まるで武装色の覇気をまとっているような、シャーマン的なオーバーソウルをまとっているような、不思議な、、、とにかくそんな感じの「おぉ~!あの人がこれから俺にサクヤン彫ってくれる人か~」なんだか凄そうだぞ!と特別な感じがした。

流れはさっきと一緒で39バーツのお供え物とお布施のみ。10人づつ部屋に呼ばれた。大きな金色のお皿が2つ置かれていて全員でお供え物を置いた。皆が固まり前の人の背中に手を置き頭を下げる、マントラを唱えるルアンピーアナンの前で。

その後は札順に呼ばれた。御布施を渡しサクヤン開始。ルアンピーアナンの場合はサクヤンの図柄は選べない。彼がその人に合ったサクヤンをその場で決めて彫るのだ。施術中は写真禁止だった。時間にしたら10分くらいだったかな。タトゥーが彫れない人にはインクではなくオイルでの施術もあるので女性も多い。

このサクヤンはルアンポープンのシグネチャーで記念すべき第一発目に彫られるものらしい。ここからが始まりで、次に行った時にはこれに合わせてデザインを広げていくみたいだ。

俺の番号は62番だったのだけれど、彼は1日に100人以上彫る時もあるらしい。前は手彫りだったみたいだが今はマシンだった。相当ハードな事に変わりはない。針の消毒はロウソクで一人一人変えたりはしない。インクも特殊なものが使われているみたいだ。壺の中に入っていて秘密の調合、蛇の毒?血?が含まれるとか。魔法のインクを使ったサクヤン、終わってすぐに撮った写真。

ここの寺の何が凄いかって、毎回渡す御布施の金額はこっちで勝手に決めていい所です。労働者階級、貧乏な人からハイクラスの人、貴族もギャングスタも農民も一般的なミドルクラスの人も全員に門が開かれているところです。全ての人に祈り、ここを出るときには良い人間になって良い行いをするようにと願いが籠められているのかも知れません。幅広い層に支持される理由が分かります。お供え物39バーツと、後はこっち次第。各々リスペクトがあるから成り立っている。ちなみにタイのラッキーナンバーは9なので縁起がいい数字。

意味は「進む」

アユタヤ時代に建てられたらしい

最後に僧侶たちがメディテーションをする小さな部屋でお祈りをする。昔ガキの頃、おばーちゃんに不動明王のマントラよく言わされてたの思い出した。新年には成田山行ってたし。いい思い出だな。

ここでもお供え物を。お香にロウソク、花に金箔。金箔は仏像に張り付けます。

さてさてさて、これでワットバンプラひと段落でございます。特別な神秘的な経験でございました。文化歴史、意味の解釈などは言葉の壁があるので不十分でしょう、でもリスペクトをもって俺も良い行いを心がけたい。来年2024年の3月に開かれるであろうワイクルーフェスティバル【Sak Yant Wai Keu Festival Wat Bang Phra】に来ようと思っている。ルアンピーアナンにもう一度彫ってもらおう。このお祭りは僧侶への感謝祭です。俺は始めサクヤン彫るイベントだと思っていたけど「ワイクルー」は師へ合掌するという意味です。

なんだかんだ4時間くらい寺にいたかな?とにもかくにも腹減った…。

「ではまた」

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